年頭のあいさつ
北海道細胞検査士会 会長 藤岡 学
新年明けましておめでとうございます。
皆様におかれましては、期待と希望に満ち溢れた新年をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。また、元日に発生した能登半島地震により被災された方々に、心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興を心より願っております。会員の皆様におかれましては、日頃から皆様のご理解とご協力によりスムーズな北海道細胞検査士会運営に微力ながら尽くすことが出来ましたことを深く心から感謝申し上げます。
2023年はCOVID-19が第5類となり、皆様の活動、生活にも変化が出てきたのではと推測いたします。当会も昨年から学術活動は対面での開催を実施しておりますが、参加人数もコロナ禍以前に戻っております。また、昨今の円安や物価高、コロナ禍の影響が、臨床細胞学会や細胞検査士会にもでております。座学は全てweb開催となることが決定され、日本臨床細胞学会の抄録集もweb配信され、細胞検査士会の会報もweb配信となる方向で進められています。当会の「せるさいくる」も皆様のご理解のもとweb配信となっておりますが、抄録集やハンドアウトなどもPDFでweb配信への変更も考えておりますので、皆様のご理解をいただきたいと存じます。毎年好評を得ております「わかばセミナー」は、神奈川がんセンターの仲村武技師の講師で、全領域を盛りだくさんの内容ので、前編・後編に分けて開催しました。2024年は2月3日に細胞検査士会 副会長 国立がん研究センターの澁木康雄技師の講師で、豊富な経験と知識から呼吸器を中心とした内容で講演していただきますので、細胞検査士をめざしている検査技師の皆様はじめ、経験年数問わず参加していただきたいと存じます。また、2024年は第88回細胞検査士会ワークショップの実施委員長としてご指名いただき、8年振りの北海道開催となります。7月から9月の開催を目標に現在準備中で講義はweb配信、鏡検実習は現地開催を予定しております。北海道は人気があり道外から多くの方の申し込みが予想されますが、北海道細胞検査士会会員の皆様には、多く参加していただきたいと存じます。
細胞検査士認定試験に12名が合格されました、合格された皆様おめでとうございます。新たに細胞検査士になられた皆様は、北海道臨床細胞学会への入会申請と北海道細胞検査士会のメーリングリストへの登録をお願い致します。
本年も役員一同、スムーズな会の運営と会員の皆様にとって充実した1年になりますよう活動して参りますので、皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
第56回細胞検査士資格認定試験合格者 12名のお知らせ
『 おめでとうございます 』
岩田 千夏 札幌東徳洲会病院 渡部 宜典 苫小牧市立病院
加藤 久恵 PCL札幌 庄司 晴香 市立釧路総合病
円 志保 自衛隊札幌病院 作田 泰宏 市立函館病院
廣田 伊吹 函館中央病院 三好 利拓 北海道消化器科病院
橋本 大輝 NHO函館病院 佐伯 歩美 JCHO札幌北辰病院
熊谷 美也妃 北海道大学病院 甲原 萌菜 北海道対がん協会釧路がん検診センター
(順不同 敬称 略)
合格者からの一言
『認定試験を終えて』 札幌東徳洲会病院 岩田 千夏
私の施設は1番大事な婦人科が無く他施設の協力の元、遅くまで病理室を開けていただいたり標本を貸していただき当直帯や勤務後夜遅くまで顕微鏡と戦っていました。模擬試験や勉強会にも参加し、自分の実力を知ることができ自信に繋がりました。まさか自分が一発合格できると思っていなく、未だに信じられません。貴重な時間を使ってご指導してくださった他施設の皆さんに心から感謝申し上げます。細胞検査士としてスタートラインに立ったばかりでまだまだ未熟ですがさらに経験を積み鏡顕技術を上げていきたいです。
『認定試験を終えて』 (株)ピーシーエルジャパン(拠点ラボ札幌)加藤 久恵
私は、5年前から細胞検査士試験を受験していました。子育てと家事と仕事に追われ一昨年ようやく一次試験に合格し、今回二次試験からの挑戦でした。実力を伴わないまま受験した二次試験の悔しさが忘れられず、来年こそ絶対に合格したいと決意し、必死で毎日憑りつかれたように顕微鏡を見ていました。3年前から会社では資格支援講習会があり、先輩スクリーナーに毎日ご指導頂きました。北海道細胞検査士会主催の二次試験対策では普段お目にかかれない症例がいくつも出題され、この時不正解だったものが、本番に出題があり回答する事が出来、得点に結びついたと思います。このように周りの方々の沢山の支援があり掴み取れた合格だと心から感謝しております。これから一つ一つの細胞にしっかり向き合えるスクリーナーを目指し努力していきたいと思います。
『認定試験を終えて』 市立函館病院 作田 泰宏
今回合格できたポイントはどこか考えてみると、自分以外のところにあったように思えます。勉強方針や鏡検のアドバイスをくれた先輩上司、分科会や講習会などで症例提示・試験対策をしていただいた他施設の皆様、こういった方々のサポートがあったからこそ今回首の皮一枚滑り込めたと思っています。周囲から情報収集せず外部の会にも参加していなかったら、まず間違いなく届いていなかったと思います。お力添えいただいた皆様本当にありがとうございました。国家試験に合格して検査技師になった時と同様、試験に受かる力と実際の業務に必要な力はまだ差があり、今はまだやっとスタートラインに立てたところです。これから一人前になるまで、気持ちを新たにまた頑張りたいと思います。検査士の皆様にはこれからも勉強会や学会など、多方面でお世話になることがあるかと思いますが何卒よろしくお願いいたします。この度は本当にありがとうございました。
『認定試験を終えて』 北海道消化器科病院 三好 利拓
コロナ禍により予定変更を余儀なくされながらもゆっくりですが一歩ずつ着実に勉強を続け、なんとか合格することができました。改めて振り返ると、自分の努力だけでは、特に二次試験の突破は絶対に不可能であり、周囲の皆様の協力があって初めてたどり着くことができたのだと思います。鏡検の基礎の基礎からご指導いただいた自施設の皆様、自施設ではなかなか見ることのできない分野の貴重な標本を快く見せてくださった他施設の皆様、模擬試験や講習会を企画してくださった細胞検査士会の皆様に心の底から深く感謝申し上げます。細胞検査士としてここからが始まりであるので、今まで以上に日々症例と向き合い、精度を磨く努力をしていきたいと思います。
『認定試験を振り返って』 JCHO札幌北辰病院 佐伯 歩美
私は三度目の受験であり、プレッシャーや不安を抱えながらの勉強でした。昨年度まではコロナ禍で自分の実力を試す機会が少なく、一緒に勉強していく仲間も見つけられずに辛い日々でした。しかし、今年度は道外での鏡検実習への参加や他施設への訪問を経験し、徐々に自信を持てるようになりました。今回、合格することができたのは自施設の方々をはじめ、貴重な時間を割いてご指導してくださった札幌医科大学附属病院の森谷様、蓑島様、大門様、JCHO北海道病院の北澤様や励ましの言葉をかけてくださった皆様のおかげです。心から感謝申し上げます。検査士としてこれからの勉強の積み重ねが大切だと思っております。早く一人前になれるよう努力していきます。今後、勉強会や学会などでお世話になることがあると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
『認定試験を終えて』 国立病院機構 函館病院 橋本 大輝
私は細胞検査士資格認定試験に合格するのに時間が掛かり、2回の受験を失敗し、嫌になり1年休んで、もう2回かけてようやく合格しました。後半の2回は半分意地になって受けていたのもあり、やっと肩の荷が下りたと感じています。これまで自施設・他施設問わず、多くの方のお世話になりました。この場をお借りして改めて感謝申し上げます。長い受験を振り返ると、細胞検査士の先輩達は皆熱心に、親身にご指導下さり、私が質問しても一度も嫌な顔をされたことがなく、少し驚いています。緊張感のある試験会場ですらどこか暖かい雰囲気があり、細胞検査士の皆様が引き継いでこられた文化なのだと感じました。まずは細胞検査士として一人前になるのは勿論、自分も後に続く人にとって良い道標となれるよう努力していく所存です。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
『認定試験を終えて』 函館中央病院 廣田 伊吹
今回認定試験の合格にあたって、まずは普段の鏡検や勉強会、講習会等で貴重な時間を使って指導していただいた自施設・他施設の皆様に心から感謝申し上げます。皆様のご指導や支えがなくてはこの結果は得られませんでした。昨年度に二次試験不合格を受けてから、今年度は合格を目標にしていた為、今回の結果は大変嬉しく思います。今後は、この合格を励みにしてさらなるステップアップを目指し、新たな経験や勉強を積み重ねていきたいと思います。これからお世話になることが多々あるとは思いますが、何卒よろしくお願いいたします。
『認定試験を終えて』 苫小牧市立病院 渡辺 宜典
この度、細胞検査士資格認定試験に無事合格することができました。僕はもともと微生物検査室に在籍していたため、言葉にしてしまえば同じ鏡検ですが、その観察の仕方のギャップを払拭するのにかなりの時間を要しました。しかしそんな僕に、貴重な時間を割いて細胞診の面白さや奥深さ、鏡検のいろはを辛抱強くご指導して下さった自施設の先輩方のおかげで細胞検査士のスタートラインに立つことができました。心より感謝申し上げます。また、インフルエンザや新型コロナウイルスの感染状況が厳しい中、模擬試験講習会の企画や鏡検の指導、練習問題の作成をして下さった北海道細胞検査士会のみなさまにも感謝申し上げます。細胞検査士としてはまだまだ未熟者ですのでこれからが正念場だと思います。日々の研鑽を怠らず、いま一度気を引き締め直してひとつひとつの症例に向き合っていきたいと思います。
細胞検査士資格認定試験対策 ~模擬試験報告~
今川学術委員長を筆頭とした北海道細胞検査士会の学術委員が中心となり、1次模擬試験対策として筆記問題、スライド投影方式の写真問題に加え、今回の模擬試験より弘前大学医学部保健学科 細胞検査士養成課程を卒業されKKR医療センターに勤務されている村田優菜技師に、養成課程で学んだ試験の傾向や対策方法についてミニレクチャー方式で受験者に伝授していただきました。2次模擬試験対策としては、役員の各施設から持ち寄った標本を使用し、本番に類似した形式でスクリーニング試験と同定試験を実施しました。今後も、受験者が一人でも多く細胞検査士として活躍していただけるように、このような模擬試験を行っていきたいと考えていますので、ご協力お願い致します。
子宮の日LOVE49キャンペーン活動報告
20~30歳代の若い女性に急増中の子宮頸癌でありますが、定期検診を受けることで予防できる癌です。しかし、検診の受診率は低いのが現状です。この状態を少しでも打破し子宮頸癌で命を落とさないように、子宮の日(4月9日)を、LOVE49街頭アクションと題して、細胞検査士や病理医等の医療従事者が主体となり子宮頸がん検診啓発活動を全国49都道府県各地でキャンペンーン活動を毎年実施しています。北海道では、2023年4月9日に札幌地下街ポールスクエア(三越前広場)で活動致しましたので報告致します。当日は、14名の協力者の下1500部の啓発グッズを配布する事が出来ました。がん検診の必要性と受診率の向上、検査に従事している細胞検査士の存在を多くの皆様に知っていただけるよう今後も活動を継続していきたいと思いますので、引き続きご協力をお願い致します。
検査deフェスティバル参加報告
2023年10月15日(日曜日)札幌地下歩行空間にて、札幌臨床検査技師会主催の『検査deフェスティバル』が開催されました。北海道細胞検査士会は、共催というかたちで、『がん検診啓発:LOVE49』コーナーを担当させていただきました。北海道細胞検査士会6役と協力者数名の少人数での参加となりましたが、子宮頸癌の細胞像や疫学・検診の重要性等のリーフレットを掲示すると共に、検査deフェスティバル参加者には、子宮がん検診のリーフレットを250部配布させていただきました。来年度も、がん啓発活動は継続していく予定です。引き続き会員の皆様には、啓発活動への参加・御協力をお願い致します。
第43回北海道臨床細胞学会総会並びに学術集会報告
2023年11月26日(日曜日)札幌医科大学 臨床大講堂にて現地開催されました。 特別公演は、京都大学医学部附属病院病理診断科 南口早智子先生に子宮頸部腺系病変の細胞診・尿細胞診の2つのテーマで講演をしていただきました。一般演題は、11演題で症例報告・精度管理等種々の内容で発表がありました。臓器横断シンポジウムでは、呼吸器・婦人科・その他の3領域より出題され、昨年と同様にWSIで症例提示を事前に実施し、多くの方に投票をしていただきました。当日は、回答者が細胞所見を読み、症例提示者が臨床所見・観察ポイントを含めた詳細な解説を行っていただき大変有益な学術集会でした。
学会見聞録
『第62回日本臨床細胞学会秋期大会に参加して』
北海道対がん協会札幌がん検診センター 髙橋栞奈・岸田佳倫
11月4・5日に福岡県で開催された、第62回日本臨床細胞学会秋期大会に一般演題発表を兼ねて参加してきました。11月とは思えない暖かさで、日中は半袖で過ごせるほどでした。去年参加した秋期大会ではなかった口頭発表が再開され、初めての経験となりました。緊張で声が震えながらも発表は無事終えましたが、質疑応答ではうまく回答できず悔しさが残る結果となりました。他施設の方々の堂々とした発表や受答えをみて学ぶものは多く、今後の課題となりました。ランチョンセミナー「HPVをターゲットとした子宮頸がん予防戦略―変わりゆく細胞診の役割―」の講演では、HPV検査の導入によりトリアージとしての細胞診へと役割は変わってゆくことが強調されており、“拾う細胞診から落とす細胞診へ“という言葉が印象的でした。HPV感染を前提とした細胞の見方というものをこれから意識する必要があると感じました。また滞在中には、福岡の美味しい物を堪能したり、太宰府天満宮を参拝したり、那珂川のナイトクルージングにも参加して良い思い出となりました。全国には細胞診に関わる人が多くいることを実感し、自分たちもその一人として日々精進していきたいと思いました。
2023年度 北海道細胞検査士会 活動報告
◎ 総務関係
1) 会報発行 : せるさいくる発行 2024年1月に発行(本号)
2) ホームページ事業 : 講習会等の情報発信及びホームページの適宜更新業務
◎ 学術関係
1) 第31回プレパラートサーベイ(婦人科LBC)の実施(現在回覧中)
2) 細胞検査士会模擬試験講習会① 10月1日札幌医科大学D101講義室 参加者:21名
細胞検査士会模擬試験講習会② 11月19日札幌医科大学組織学実習室 参加者:36名
今後の予定
【北海道】
わかばセミナー 2月3日(土曜日) 札幌医科大学教育研究棟D101講義室
細胞診従事者講習会 3月3日(日曜日) 札幌医科大学臨床大講堂
第88回細胞検査士会ワークショップ 開催時期・場所については調整中
【全国】
第65回日本臨床細胞学会総会春期大会 2024年6月7日~6月9日 大阪府
第62回日本臨床細胞学会秋期大会 2024年11月16日~11月17日 千葉県
第66回日本臨床細胞学会総会春期大会 2025年6月27日~6月29日(予定) 東京都
第63回日本臨床細胞学会秋期大会 2025年11月8日~11月9日(予定) 広島県
*講習会の詳細な内容や申し込み方法等は、北海道細胞検査士会ホームページ又はメーリングリストにて随時ご案内する予定です。
メーリングリストへの登録のお願い
会員への情報伝達手段の一つとしてメーリングリストを開設し、北海道臨床細胞学会や北海道細胞検 査士会からの情報配信に利用しています。未登録の方々はご参加をお願い致します。
メーリングリストへ登録をして頂ける方は、
1)メーリングリスト管理者(徳永 y1tokuna@d9.dion.ne.jp)までメールを送って下さい。 【件名】は「メーリングリスト参加」として下さい。 【本文】には、所属地区、施設名、お名前を記載し送って下さい。
2)管理者が登録をしましたら、“登録完了メール”が配信されます
編集後記
感染対策をしつつ、COVID19の感染前の日常の生活へと戻ってきているのではないかと思います。コロナ感染症は昨年より落ち着いていますが、インフルエンザ等の感染症が流行していますので体調管理にはお気を付けください。昨シーズンの日本ハムは残念でしたが、新しく開業したエスコンフィールドは連日大勢の観客が集まり、大変盛り上がっていましたね。久々の球場でクラフトビールを飲みながらの生の野球観戦は格別ですね。今年は、大谷選手を始めとした日本人の活躍が期待されるメジャーリーグやパリ五輪があります。放送時間が夜中~早朝が多そうで睡眠不足になるなと思いながら楽しみにしています。
細胞検査士会の事業は、対面での開催が主体となり、皆様と実際に交流が出来る事が楽しみです。引き続き、研修会等の情報を積極的にホームページやメーリングリストを活用し、会員の皆様に随時お伝えできればと思っております。皆様のご支援と、会の活動にご協力をお願い致します。 (総務 椎名)